みなさん、こんにちは。
「日常生活や仕事で、困るなぁと思うことは出てくるけれど、頑張ればなんとかなる。」
「発達障害とは診断が下りなかったけど、やっぱり何か生きづらさや大変さを感じる。」
そんな風に思ってはいませんか?
そのまま放っておかないでください。
発達障害の症状自体は「頑張ればなんとかなるもの」かもしれませんが、それが積み重なっていってしまうと悪い方向に転びかねません。
「それでは一体、どうすればいいのか?」「どんな悪いことが起こるのか?」そういったことを、これから一緒に見ていきたいと思います。
それでは、よろしくお願いします。
発達障害グレーゾーンってそもそも何?

発達障害は、能力に偏りがあって、できることとできないことの差がすごく大きいということが特徴的です。
そのため、「勉強ができてもコミュニケーションが極端に苦手」などといった人も意外と発達障害だったりします。
そしてこの発達障害の診断が厄介なところは、グラデーション状の障害であり、白黒で判断できない点です。
このことから、「発達障害の傾向はあるんだけど、診断基準には至らない」という「グレーゾーン」の人がたくさん出てくるという現状があります。
発達障害の特性について詳しく教えて!
発達障害には、大きく3つの分類があります。
1. ADHD(注意欠如・多動症):気が散りやすく、思いつきの言動が多い。コミュニケーションには問題ないが、衝動的に言いたいことを一方的に言ってしまう。
2. 自閉症スペクトラム (ASD):周りの人とうまくいかなかったり、コミュニケーションがうまく取れなかったりします。他人の感情が理解できなかったり、こだわりが強いという特性があります。社会性やコミュニケーションの発達に遅れが見られる症状です。
3. LD(学習障害):基本的な知的発達に遅れはないけれど、特定の能力(聞く・話す・読む・書く・計算する・推論するなど)の習得が著しく困難な人。
それぞれの特性は異なるけれど発達障害に共通していることは、できることとできないことに差があり、発達が凸凹していることです。
そして注意して欲しいのが、これらの特性は生まれつきの脳の特徴から起こることで、自分が怠けていたり親の育て方の問題だと考えるのは間違っているということです。
しかし、周りから理解されにくいという現状があるのも、事実です。
グレーゾーンの人の最大の敵 「二次障害」とは?

発達障害は能力に凸凹があり、その極端にできない部分が社会生活に支障をきたすことが問題なのことはわかりました。
ですが、そのできない部分を「努力」してできるようにして社会生活を送っている人が大半だと思います。
「努力」でできるようにしていくことは一見、良いことのように聞こえますが、一体何が問題なのでしょうか?
それは、「頑張りすぎ」てしまうことにより、身体に無理が生じてしまうことです。
それでは、頑張りすぎることがなぜ危険なのかを、一緒にこれから見ていきたいと思います。
「頑張りすぎ」から生じる?二次障害とは

凸凹の凹の部分を埋めようと無理な努力を続けてしまうことによって、どんな問題が起こってくるのでしょうか。
発達障害の二次障害(発達障害が原因となって出てくる二次的な症状・病気)として出てくる症状は、皆さんも聞き馴染みのある病名だと思います。
グレーゾーンの人がなってしまいやすい二次障害には、
うつ病、双極性障害、適応障害、睡眠障害、自律神経失調症など
があります。
これらの病気はなってしまってからでは、「頑張る」では通用しなくなってしまいます。
そのため、まだこういった症状が出てくる前から、発達障害による「生きづらさ」を楽にしていくことが求められます。
次の章からは、そういった発達障害の人の「生きづらさ」や日常の「困った」を解消するための具体的なティップスを、かいつまんでご紹介していきたいと思います。
症状別:発達障害の「困った」を解決する

発達障害には、日常生活の色々な場面で「困った」がつきものです。
その「困った」を解決せずに放置したままにしてしまうと、前述したような二次障害の症状に繋がりかねません。
ここでは、そんな取り返しのつかない二次障害を未然に防ぐために日頃の「困った」を解決していく方法を見ていきましょう。
キレやすさを解決する。

発達障害の特にADHDの人に見られる特性に、「衝動性」というものがあります。
その名の通り、衝動的に何かをしてしまったり、カチンときたら怒りやイライラをうまくコントロールできずに爆発してしまうという特性があります。
そんな「キレやすさ」のキレる原因とは何なのでしょうか?
例えば、電話対応でまごついている例をあげてみましょう。
私たちは「プロだからスムーズに対応してくれる」ということを期待しています。ですがその「期待感」がイライラに進展するのです。
ですので、そもそも「人に期待しちゃいけない」と思うように練習して、先の例だと例えば「相手の対応には時間がかかるものだ」という前提で接すると、イライラを少しずつ減らすことができるようになるといいます。

そして次のステップ。
あなたは、「自分はこんな目にあった。」と自己主張を相手に押し付けたくなる衝動が出てくるかもしれません。
ですがその衝動はあまり意味のないことなのです。
なぜなら、相手も同じように、自分のことを尊重したいと考えているからです。

それでは、自分の承認欲求を満たす代わりに、私たちがやるべきこととは何でしょうか?
それは、相手の承認欲求を満たす(相手に自己重要感を与える)ように心がけることです。
イライラしている状態から、始めからそういうことをするのは難しいかもしれません。
ですが、あなたが自分のことをわかって欲しいと思うのと同じように、相手も自分のことをわかって欲しいと思っているのです。
ですから、その相手の「期待」に自分は答えてあげられるように、ちょっと努力してみれるようになると、見ている世界が少しずつ変化していくかもしれません。
「頑張りすぎて疲れる」を解決する。

発達障害の中でも特に、発達障害グレーゾーンの人は凸凹のできない部分を努力でカバーするため、ときに頑張りすぎて疲れてしまうことがあります。
そんな、常にギリギリの状態で疲弊している人にこうすれば楽になるという、3つのポイントをお伝えします。
1. 自分に期待しない →自分に過度な期待をかけないこと。
2. 他人に期待しない →他人に期待しても前述した様にイライラするだけ。
3. 自分は努力する →人ではなく、自分ができる努力に焦点を当てる。
この3つにエネルギーを注ぐべきなのだそうです。
そして、2週間から1ヶ月くらいことあるごとに思い出して、定着するまで繰り返す。
この3つが定着したら、今度は
「相手の自己重要感を満たす」
ように心がけていきます。

先のイライラの解消の対処法と似ていますが、結局はこの様にすることで、コミュニケーションを含めて色々とうまくいくようになるのだそうです。
人によって自己重要感の満たされ方は違うので、そこを一生懸命考えていくと面白く続けられそうですね。
街に出ると、多すぎる情報量で頭が混乱する。

街に出た時に、情報を拾いすぎてしまい頭が混乱するという人は、次のことを積極的に行ってみてください。
視覚・聴覚のノイズキャンセルを積極的に行う。
例えば視覚のノイズをキャンセルしたい場合、サングラスをかけてみるというのがあります。
そうすることで、多すぎる視覚情報をシャットアウトでき、普段よりだいぶ楽になります。
聴覚の場合は、イヤフォンをつけてみるなどが対処法として挙げられます。
身近に潜む発達障害グレーゾーン

この章では、発達障害は意外と身近に潜んでいるということを、精神科医で発達障害に詳しい医師の方の体験談を交えながらご紹介していきたいと思います。
精神科医、西脇俊二先生とは?

発達障害や発達障害グレーゾーンについて詳しく、15冊以上の著書を出している精神科医でハタイクリニック院長の西脇俊二先生という方がいます。
西脇先生自身が自分も発達障害 (ASD) の傾向があることに気づいたのは、医師になり重度知的障害者向けの施設で働き出したときだったと言います。
自閉症患者の彼らの症状を研究していくうちに、「自分にもそのような傾向があるのではないか?」と疑うようになったのだそうです。
そして、自分も一緒に「療育」の手法を使ってみたことや、発達障害 (ASD)だと認知できたことで、すごく物事がスムーズに進むようになったと話しています。
ここでは、西脇先生が自分自身のどういった特性を発達障害 (ASD) だと感じるようになったのかを、かいつまんでご紹介していこうと思います。
先生が発達障害であることを認知したプロセスを知ることで、みなさんのちょっとした気づきに繋がれば嬉しいです。
発達障害発見のプロセス – 西脇先生の場合

それでは、精神科医で院長の西脇先生がどのような特性から自分をASD(発達障害)の傾向があると判断したのか、そのプロセスをかいつまんでご紹介させていただこうと思います。
どうしようもないほどのASDだった。
子供の頃から人と違うと思っていたけど、いじめられるというよりはいじめる側だった。けれどコミュニケーションを人とちゃんと取れているという感じはなかった。
社会に出て、ハイビスカス柄の派手なネクタイをつけていったときに上司に嫌味で「君はネクタイが趣味なのか?」と聞かれ、嫌味だということに気づかず真面目に「違います」と答えていた。
キレやすかったり、一方的に話をしたり、雑談が得意ではなかったり、初めての人とうまく話せなかったりした。
何か一つ嫌だと感じることがあると、全部を拒否してしまっていた。
「全」か「無」しかなく、完璧主義。
友人関係も同じで、長年付き合っていた人でもちょっと嫌なことがあると関係を切ろうとした。
(発達障害グレーゾーン、姫野桂より。一部省略)
西脇先生は過去のこのような出来事や自分の考え方・思考から、これは発達障害(ASD)によるものと似通っていると考えました。
自分も自閉の傾向があることを勉強しながら気づいていき、友達がいないのも、雑談が苦手なのもこの自閉の傾向によるものなんだと次第に思うようになりました。
「じゃあ、無理しなくていいんだ」と思えるようになったことで、気持ちが楽になったそうです。
そして、全国の発達障害グレーゾーンで悩んでいる人に対して、西脇先生はこう語っています。
日本のグレーゾーンの人たちは今の暮らしに困っているわけです。少なくとも、社会生活や個人生活を維持できないくらい困っている状態ならば、病気や障害と考えた方がいいはずです。僕でしたら、診断基準を満たしていなくても、傾向があって困っている人は発達障害だと言っていいと思っています。
(発達障害グレーゾーン、姫野桂 より)
終わりに

いかがでしたでしょうか。
本日は、「発達障害かも?」と疑い始めた人や「発達障害の診断を受けたけれど、基準に至らなかった」という人に向けて、どのように「困った」を解消していくのかや、放置しておかないで欲しいという警笛を鳴らすつもりで書いていきました。
この記事が発達障害(グレーゾーン)で困る人が「困った」を解決するきっかけとなりライフハックにつながる記事となれたら幸いです。
それでは、本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回お会いしましょう。
参考にした本
今回の記事を書くにあたり参考にさせていただいた本は下記になります。
・発達障害グレーゾーン 姫野桂 扶桑社新書
・よくわかる女性のADHD 司馬理英子 主婦の友社
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