こんにちは、マイコです。
今回は、様々なポリアモリーを研究している学者や日本人ポリアモリストが、ポリアモリーという恋愛関係を知ることになったきっかけの本である、「きらきらひかる」をご紹介していきます。
笑子と睦月の不思議な結婚生活

この本の主人公である夫婦の笑子と睦月は、お互いが恋人を持つ自由を持つ一風変わった夫婦です。
結婚するときに、外に恋愛を求める自由を二人で決めています。
そんな主人公である夫、睦月には、大学院生の頃から付き合っている年下の「彼氏」がいます。
そうなんです。
睦月はいわゆる、「ホモ」なんです。
そして笑子はアル中です。
そんないわゆる「傷物」同士の二人が笑子に言わせると「都合のいい結婚」をして、その中で出会う数々の困難に立ち向かっていく様子が描かれています。
この夫婦は本当に愛し合っている?

性的にはあまりお互いに魅力を感じているようには少なくとも見えない夫婦。
この人たちはなぜ結婚したの?お互い愛し合っているの?などと疑問が湧いてくるかと思います。
わたしが汲み取った答えは、「それでも愛し合っている」です。
端的に描写されている部分を少し見ていきましょう。
家に帰宅した睦月が笑子の声を聞いて次のことを思います。
ふりむいて、お帰りなさい、と言うときの笑子の顔が、僕は心の底から好きだ。
ちょっとキュンとしちゃいますよね♪
また、笑子が恋愛に思い悩んで次のように考えます。
どうして睦月を好きになんかなったんだろう
こういう想いって、普通に恋している二人となんら変わりはありませんよね?
つまり、恋人を他に持つ自由を持っていて、性的には魅力を感じていなくても、「好き」という感情をお互い持っているのです。
「好き」を一人に限定しない生き方との葛藤

恋人を持つ自由がある結婚をした笑子と睦月は、両親や友達にどうしてもそのことを打ち明けなくてはならなくなりました。
その際、心の中で様々な葛藤をしています。
例えば、笑子は小説の中で、自分の生き方について改めて意識して心の中でこう肯定しています。
「こういう結婚があってもいいはずだ、と思った。なんにも求めない、なんにも望まない。なんにもなくさない、なんにもこわくない。」
また、この生き方について他人から色々と言われたときには次のように悩んでいます。
「どうしてこのままじゃいけないのかしら。このままでこんなに自然なのに。」
「世間の一般的な生き方」と「自分たちの自然な生き方」の間にあるギャップの中で生きている主人公二人は、ギャップがあることを感じつつも、自分たちが自然だと思う生き方をときには立ち止まりながらも歩んでいきます。
この夫婦の結婚は幸せ?

笑子がこの結婚を心から幸せであると感じていると思われる場面があります。
笑子の実家から、笑子・睦月夫婦の住む自宅へ帰ってきたときの笑子のセリフです。
何てやさしい部屋だろう。壁も窓も天井も床も、全部が私を見守ってくれている。
目をあけなくてもわかる。感じるのだ。ここが私の場所だ。
自分の居場所を見つけられた幸せ、というのは女性にとって(男性にとっても)すごく大きいのではないかと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、多くの人がポリアモリーを知ったきっかけになったと答えていた本である江國香織さんの小説「きらきらひかる」を取り上げてみました。
この記事を読んで、ポリアモラスな関係を築いている人の心の葛藤が少しでも癒されたら嬉しいです。
また、この本をもっと読んでみたいな、と思ってもらえたら幸いです。
今日お話しした本は、こちら
今回取り上げた本は、こちらからもご購入できます。
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