23歳。
国立大学を卒業したわたしは、外資系大手で社会人1年目を迎えていた。
ずっと思い描いていた”東京”という街での一人暮らし。
『東京に行けば、なんでもできる』
そんな想いを胸に上京した。

仕事は所謂、バックオフィス。
PCに向かって一日中働く仕事だった。

何かが違う。
3ヶ月の研修が終わり、仕事が本格的に始まろうとした時だった。
徐々に違和感を感じるようになったのは。
<葛藤の日々>

あれから1年半。
東京での仕事を辞めたわたしは、沖縄の離島にいた。
東京で仕事をして気づいたこと。
それは、
どこにいたいかよりも、何がしたいのか
がより大事だということ。
「東京に行けば何かを変えることができる」と漠然と考えていた自分がいた。
「東京に行ったら、奇跡的な出会いが自分の人生を変えてくれるだろう」とわけもなく考えていた自分がいた。
実際、チャンスはたくさんあった。
だけれど結局、そこで「自分がやりたいこと」をやっていなければ、何も変えることはできなかった。
そして大学を出たてのわたしは、本当の意味で「仕事」がどういうものかを理解していなかった。
<挑戦の旅>

「沖縄の離島で無職の自分。」
時間を持て余し、ポカンと穴が空いたかのように虚無感に包まれた。
そんなとき、少しポジティブな考えがひらめいた。
それはいつも、常日頃から信じていることだった。
やりたいと思えば、なんでもできる。
(要は、やるか、やらないか、ということ。)
どうせやるなら、今しかできない経験を糧としたい。
段々とそう思うようになってきた。

今の自分にあるものって何だろう?
海を眺めながら出てきた答えは、
五体満足であること。
だった。
今のわたしが持ってる資本は、健康な体だ。

『よし、働こう!』
そういう結論に至ったのだった。
<変化の兆し>

東京でやっていたような仕事は、ここには無かった。
この島にもう少しいたい。
この気持ちは、1ミリも変わらなかった。
こっちでできた友だちの紹介で興味が湧いた仕事は、トータルインクルーシブホテルでのリゾートバイトだった。
(のちにこれは、バイトの域を超えたフルタイムジョブになることを知る。)
わたしはここで、キッチンスタッフとして働くことになった。

<働くということ。仕事とは>

「ホワイトカラー」と「ブルーカラー」
そう言ってしまえば簡単かもしれない。
実際、今やっている仕事は、大学卒業後に働き始めた仕事と比べたら明らかにブルーカラーの仕事だろう。
学歴を必要としなくて、色んな人が入ってくる職場。

早稲田や慶應出身の友達ばっかりだった入社式や新人研修と比べると、明らかにある意味スゴいところにいる。
だけど、だからこそ学べることもあると働いてから気づいた。
プライドばかりが先行して何もできなかった大企業で働いた一年よりも確実に、「働く」というのはどういうものなのかを知る機会になった。
雇われる身であるというのはどういうことなのか。
を本当の意味で理解していなかったことを、ここで働き始めてようやく気づいた。
ブルーカラーであろうとホワイトカラーであろうと、学歴や職場の人たちの同質性に差があったとしても、労働の対価にお金をもらっているということは変わらない。
●どちらも「仕事」であること。
●どちらも「雇われる身である」ということ。
仕事に対する今まで持っていたネガティブな価値観を今、ぶち壊そうとしている。
ここで働くということについて、存分に学び切ってしまおう。
そんな気持ちになった。

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